市内にあるメディカルセンター、吹きさらしの空間に流れる滝の音が清涼感をもたらして、本当に病院とは思えない位気持ちがいい場所です。 昨日の奥さんの大腸癌検査は、内視鏡で見えない部分があったので来月にレントゲンで再検査になりました。本当に体が弱いので、何時も病院なんかに行った時は、院内感染の予防の為、外から必ず帰ってきたら、まず「うがい」、「手洗い」は必要条件になってます。 日本でもアメリカでも院内感染が問題になっている「スーパー薬剤耐性菌アシネトバクター」。すべての抗生物質が効かない細菌で、グラム陰性菌とよばれる細菌のグループに属し、土壌や水などの環境中、あるいは人間の皮膚などに常在しています。いわゆる日和見感染を起こす細菌で、健康な人には影響を与えませんが、重症者や糖尿病患者など免疫力の低下した人に感染すると、肺炎や敗血症などの深刻な症状をもたらし、死に至ることもあります。 抗菌薬新薬開発、ほぼストップ 人類と細菌の戦いは、1929年に英の細菌学者フレミングが、世界初の抗菌薬「ペニシリン」を発見して以来続いてきた。しかしながら今現在は、新しい抗菌薬が作られると、細菌はそれに対する耐性を身につけるといういたちごっこの連続。新薬を開発しても耐性菌が現れて薬が効かなくなることや、慢性疾患の薬のように患者が長期間使うものではないため、収益性が低いとみなされ、抗菌薬の開発はほとんどストップしています。一方、新しい耐性菌は出現し続けています。医療現場の現状は弾のない鉄砲で敵と戦っているようなものです。では、医療現場は多剤耐性菌に感染し発症した患者に対しては、“複数の薬を試しながら、効く薬を探す。それがない場合は対症療法を続けながら、患者の免疫力が細菌に打ち勝つのを待つしかない。”と半ば匙を投げた状態になっています。 そんな八方塞の医学会に明るい話題がありましたね。その希望の主は、見るだけで嫌われるゴキブリさんでした。約3億年前の古生代石炭紀から生き抜いているタフな昆虫さんです。何時もはここで写真を載せるんですが、見るだけで気持ちが悪くなるから、代わりにバッタを載せます。幸いなことに、自分が住んでいるマサチューセッツ州のこの辺はゴキブリがいなくて、それだけで精神衛生上は快適です。 英ノッティンガム大学は9月6日、同大学の研究者がゴキブリなどの昆虫から抗生物質として有望な物質を発見したことを明らかにした。同大の大学院研究生サイモン・リー氏は、ゴキブリやバッタ類の脳や神経に、従来の殺菌剤に耐性がある細菌も殺菌できる9種類の分子があることを発見した。この抗生物質により大腸菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の90%以上が死滅したという。 昆虫は非衛生的な環境に生息することが多く、さまざまな種類のバクテリアに遭遇する。このため昆虫が自分を守るため抗生物質を分泌することはごく自然なことだと、リー氏は指摘する。 リー氏の研究はまだ初期段階にあり、今後は院内感染で知られるアシネトバクター菌やシュードモナス菌、バークホルデリア属の細菌などに対する殺菌効果を調べる。 (c)AFP ただこのゴキブリから新しい抗生物質を取り出しても、また直ぐに耐性にある新種の細菌が発生するのが分かりきっているので、新薬研究の方向も大幅に軌道修正されなければならない時期に来ているのではと思います。この自然界の生態系が秩序正しく連結されている現実。その一つの例、食物連鎖の捕食の相互関係から推測してみると、人類に最強の敵「スーパー薬剤耐性菌アシネトバクター」を好餌とするべき細菌が存在するのでは? そのいう細菌を見つける方が、この終わりのない対細菌戦争に終焉をもたらすのではと俄か科学者は推測するのであります。
by nhajime3
| 2010-09-24 15:33
| 社会情勢
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