このマサチューセッツ州には、四つのメディカルスクールがあります。もう有名なハーバード、そして盛んに日本の医療ドラマにでてくるボストン大学、そして歯科の方で有名なタフツ大学。そしてわが地元にあるマサチューセッツ大学メディカルスクール。時々、大学主催のイベントで立ち寄ることは少ないけど、結構日本から医者や製薬会社からの人が研修に来てる人がおおいです。ついでに医療先端地区の卓越した病院経営を視察に来てる人も多いと聞いています。
アメリカの医療制度の現状 ❶ 医療がネットワーク化し、そのネットワークと契約してるクリニック(診療所)、病院、検査施設しかいけない。でももっと高い保険料を払えば、選択できるネットワークが広がる。医は算術なりという匂いが濃厚で嫌ですね。 ❷ 毎年平然と値上げする保険料の毎月の掛け金。 ❸ 医療保険制度加入が義務付けらている州内の企業にとって、最低50%保険料の支払いが負担になる。故に、保険料の負担の少ない州あるいは国外に逃げていく会社が多いし、保険料負担のないパートタイム社員を沢山雇う傾向がある。人権費の上昇した中国から帰還したアメリカ企業も人は雇わず、ロボットやA.I.を導入してコスト削減に勤しんでいる。 ❹ アメリカの個人破産の二番目は、医療費の支払い不能。 Reliable Medical Groupのクリニック配備図 私が入っているReliance Medical Groupの医療ネットワークを図にしてみると下のようになってます。 ◆ ネットワークの中心: 総合大病院 ◆ ネットワークの中心付近のクリニック: 小規模多数で、主に内科、小児科と血液検査や尿検査をするラボ ◆ ネットワークの近郊のクリニック: 中規模少数で、内科、小児科、ラボに、プラスして放射線科、眼科、消化器系内科、神経科など配備 ◆ ネットワークの外輪のクリニック: 循環器内科、呼吸器内科、それに、産婦人科を含むほとんど全ての検査可能な大規模設備が配置。 保険会社が医療ネットワークを経営してるから、医師や医療設備を効率的にネットワーク内の拠点に配置してます。日本の病院のように何でもできる総合施設ではなく、各役割分担を各地に分散して、過剰設備投資を防いでいます。一見不足がちに見える産婦人科、精密検査や緊急患者の配送はネットワーク中央部の大病院に送り込まれる仕組みになってます。 2014年4月からAffordable Care Act(国民皆保険を目指す医療改革法)が施行され,無保険者の数は減少したと言われているけど、一方で増大する医療費(GDP比19.2%:2012)抑制のために様々な規制がなされ,高い水準にある米国の医学が生かされていない面がある。また,医療訴訟が多い為,医師や病院が支払う損害賠償保険料が高くそれが医療費に跳ね返り,医療産業に従事する人(特に経営者層)の人件費が高いのと相まって医療費が非常に高額になっています。日頃の健康管理は自分でして、時が来たら無駄なあがきはしないで、あっさりと寝床でお迎えが来るのを待つ覚悟が必要です。 アメリカの医療制度の美点 ❶ どんな田舎でも必要な医療が受けられるシステムになっている。日本の田舎のように、産婦人科医や小児科医がいないというようなことはない。 ❷ 完全予約制だから充分な診察時間を取ってくれる。 ❸ 言葉の壁などを解消してくれるサービスを提供してくれる。 ❹ 医師や看護婦などに過度の肉体的あるいは精神的負担が少ない。 ❺ 医師不足、患者不足など様々要因で、経営難に陥りから潰れることがない。 確かに確実に医療サービスを受けられるという安心感はあるけど、「カネの切れ目は命の切れ目」というのが現実。アメリカの公的医療制度にも、メディケア(高齢者医療保険)とかメディケイド(低所得者・身体障害者用医療制度)というのもあるけど、研修生用の人間モルモットように扱いが雑になるから溜まらないです。アメリカは若い人がチャレンジする機会に溢れているかもしれないけど、老後は安心してすめるような所ではないかもしれない。
by nhajime3
| 2016-11-04 23:28
| 医療. 健康
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