最近の日曜日、奥さんを無視するがごとくに、各種イベントであってあちこちを「翔ぶが如く」飛び跳ねていました。他の教会訪問が大好きな奥さんは欲求不満気味。今日はみんなはボストンの礼拝にいきましたが、私は地元の他の教会へと奥様孝行。「翔ぶが如く」の著者、司馬遼太郎氏の最高傑作と謳われている「坂の上の雲」がもう直ぐ、NHK大河ドラマとして放映されるのですね。司馬遼太郎さんの作品はほとんどほぼ読破しました。その作品に溢れる、目の前に光景が浮かぶくらいリアルで、生々しい表現能力に何時も魅入られていました。
同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。そんな視点から読んでみるのもまた一興。『坂の上の雲』とは、封建の世から目覚めたばかりの日本が、そこを登り詰めてさえ行けば、やがては手が届くと思い焦がれた欧米的近代『国家』というものを「坂の上にたなびく一筋の雲」に例えた切なさと憧憬をこめた題名。 そんな奥さんの御機嫌を慰めるように、車で5分も掛からない隣町の教会に行きました。私の住む町は白人の町、白人だらけで黄色人種もいない町。でも、同じ白人でも、シティーに近づけば近づくほど人が差別的になり、離れれば離れるほど人が友好的になるのが不思議です。最初は、猫を被っているのかと思ったけど、そうではありませんでした。でも夏時間の為、礼拝時間が9時半に変っていたのに気がつきませんでした。て10時過ぎに着いたら、もう既に礼拝が終わっていて、一階のカフェテリアで、お爺ちゃん、お婆ちゃんがコーヒーを飲みながら嬉しそうに談話してました。これが楽しみで来ているんでしょうね。昔は600人位の人で賑やかだったこの教会も、今は、信徒数が激減して、今日は30人位しかいませんでした。それも、70,80歳代のお爺ちゃん、お婆ちゃんだらけで、更に過疎化してましたね。アメリカも日本同様に、教会の若者離れが深刻になっていて、若者が沢山いる教会は音楽を利用して半ばサークル化して、なんとか若者を引き止めています。でも、この辺は本当にのんびりしてますよ。時計の針が進むのが恐ろしく遅いのではと感じます。 額縁の中は、この教会に奉職した歴代の牧師さんの写真でした。最初の牧師は1740年代(当時は写真がないから、似顔絵)から、つい最近2006年までの牧師さんが飾られてありました。 カフェテリアの入り口の壁際に一つの地図が貼られてました。町の地図かなと思い覗いて見たら、教会の裏手の小高い丘の上にある教会墓地に埋葬された人のロケーションマップでした。アメリカでは、生まれてから死ぬまで、洗礼じゃ、結婚式じゃ、葬式じゃと、教会の世話になり、そして死んでからもね。埋葬された人の魂は、やがて昇天し、雲の上でイエス.キリストと再会するのが彼らの夢です。アメリカ現代に生きる人の『坂の上の雲』ですね。 教会から帰ってきたら裏庭で遊んでいた誰かの飼い猫?狸みたいに大きな尻尾を持っていて、目が会ったら臆面もなく近づいてきて体を擦り付けていました。黄緑の目が魅惑的だった。私の友達に西洋人の目の色を事細かに観察してきた女性の友達がいます。彼女が言うには、赤い目、青い目、黄緑の目を持つ人など色々な人を見てきたけど、青い目の人の瞳は吸い込まれるように素敵だった。でも、灰色の目の人は不気味で顔を背けたと言ってました。よく、そこまで観察するもんだと感心したです。
by nhajime3
| 2009-08-25 02:33
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