昨日、何げなくインターネットを見てたら、「Districts Warn of Deeper Teacher Cuts」という見出しがありました。財政難で全米で数十万人もの先生の大量首切りが、この6月に行なわれるかもしれないという内容でした。アメリカの義務教育は、 州の管理下にある学校区の地方分権的に運営されています。学校区には州のもつ教育行政の権限が徹底的に移譲されており、とくに固定資産税(土地、家屋等の額面価格)の課税権も移譲されており、これが各学校区の自主財源としての教育費となっています。それと州からの補助金とで学校区の財源がコントロールされてます。特に、昨年、連邦政府から各州に、教育行政に対する景気後退のショックを和らげる為に一時的に与えられた10兆円もの特別基金がほとんどの州で底を突き始め、来年度に対する財源がないという現実に直面しています。 一応、特別基金を各州がもらう時、連邦政府側から将来を考えて大事に使えと支持されたみたいですが、「喉元過ぎれば暑さ忘れる」の例えみたいに豪快に使いまくった州もあり、ちびちびと使っていた州もあったみたいです。その少ない財源で、子供達の教育備品、テクノロージー関連費、図書館の蔵書管理費などを削りながら細々と生きてきたけれど、もう削るものがなくて人材を削るしか選択の余地がなくなりました。でも先生解雇だけで終わるのではなく、更に、学校閉鎖、教育プログラムのカット、クラス人数の増員、塩素消毒費を浮かす為にプールの排水、スクールデーの短縮、更には新しい次元確保の為に現存のK12という義務教育体制そのものを見直さなければならなくなるだろうという意見も出てきました。そして、この財政危機は今年で終わりではなく、最低2014年あるいは2015年辺りまで持ち越されるだろうと予想されてます。 Whitney M. Young Magnet High School(Chicago, IL) Magnet school 同学校区(教育委員会)が管理運営する通常の公立学校のほかに、数学や科学といった理科系科目、さらに芸術・音楽に重点を置く公立学校。学校区の縛りを越えて、広く優秀な生徒を学校区内外から「磁石」のように呼び寄せ、人種に関係なく、有能であれば誰でも入学許可を与えるという点に特徴があります。いわゆる「エリート学校」として認知され、州はもちろん、連邦政府も積極的に財政補助してます。日本の特色ある学校づくりや中高一貫などが叫ばれているが、これはそうした教育改革の源流をなすものです。 Magnet schoolという存在を始めて知りました。このマサチューセッツ州にはひとつも存在していなかったものですから。アメリカの先生って、こんな風に景気に左右されるもんなんですね、安定職業ではなかった。しかし、今更ながら住宅バブルが弾けた後遺症がこんな具合に現れるとは思ってもいませんでした。
by nhajime3
| 2010-04-21 01:21
| 社会情勢
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